今、アメリカ大統領選挙の主役はなんとあのビッグ・バード?!

オバマさんVSロムニーさんの初の大統領候補討論会から1週間。アメリカはセサミ・ストリートのビッグ・バード（Big Bird）一色に!!!　報道によると討論会直後から、Twitterでは毎分1万7千回も「ビッグ・バード」がつぶやかれ、Facebook上での「ビッグ・バード」の言及は討論会前から80万パーセントという驚愕の増加!!!　

大学生はビッグバードTシャツを売り出し、米国メディアはどこも大々的に報じてまして、サタデー・ナイト・ライブにもご出演。

いったい何があったのかと言うと、討論会でロムニーさん「国家の財政再建策としてビッグ・バードを首にする（セサミストリートを制作・放送する国営テレビ局PBSへの資金援助を止める）」と主張したんです。

以前のフォーチューン誌のインタビューでも同じ発言で問題になりましたが、 PBS予算は$445百万ドルで国家予算の1/100以下（0.014％）。さらにセサミストリート制作費はそのうちの一部。それカットして国の財政再建プランって何このデタラメな発想?　デタラメどころか嘘、いやアメリカの国益に反するロクでもない主張です。

今や、PBSの教育番組が、アメリカの家庭の子ども達の教育に貢献してきた実績は無限にあります。

貧困家庭で育ち、PBSのお陰で今の自分があると断言するNYタイムズの編集者さんなんかは、激怒して「ビッグ・バードにちょっかい出すんじゃねぇ」（Don’t Mess With Big Bird）という記事を掲載。過去1年間に全米の家庭の91％、2～8才までの子どもの81％がPBSを視聴してると指摘してますが、確かに、こんなに費用対効果の優れた国家予算の使い方はそうはないでしょう。そんなわけで、アメリカではオバマさん支持者はもちろん、教育界とか放送界とかのいろんな立場の人々が、ロムニーふざけるな状態に。

そして、ついにオバマさん陣営が、新たにビッグ・バードが登場する大統領選用のテレビCMを作りました。って言っても、ビッグ・バードは人間の6歳の子と同じ知能しかないので難しい主張などはしません。語りは主にナレーションで、「ロムニーが狙っている経済再建の敵は・・・、ビッグバードだ!!!」みたいな、ほとんどコントのような内容。今までの大統領選挙CMの中で一番面白いと話題になってます。今、アメリカはビッグ・バードが注目のまとに・・・
オバマ陣営からもメッセージ

ビッグ・バードが登場する大統領選用のテレビCM
このロムニーさんってのは、ついこないだも日本を含めた主要各国への暴言や失言でボコボコに叩かれてたのに懲りないというか、頭が相当悪いというか・・・。初の討論会でロムニーさんがした他の主張についても続々と嘘やデタラメであることが明らかになった、と報じられてます。それでも2大政党制のアメリカでは両者ほぼ互角の支持率になるから不思議。あと、この突然起こったこのビッグバード問題を背景に、「今年のハロウィンの仮装コスチュームにおすすめのアイデア・ベスト15」（15 Best Halloween Costume Ideas For 2012）という記事の1位が、ビッグバードになってたり。みんなでビッグバードを救おうってわけですね。

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