
「本当に人間は歳をとると賢くなるのか?」そして
「日本とアメリカで文化差はあるのか?」というテーマで、カナダ随一の理工系研究型大学であるウォータールー大学(
University of Waterloo)の心理学者 Igor Grossmann 氏が行った
研究調査の論文が最新号の
Psychological Scienceに掲載されるとの
ニュース・・・。へぇー。いろいろオモシロイ。

まず、人間がどれくらい賢いか、知恵があるかは
「紛争の解決能力」(resolving conflict)で評価するとし、世代間格差だけでなく、個人主義的で直接的なアメリカ人と、社会調和を尊重し間接的な日本人の間の文化差も比較したのだとか。
で、調査前の仮説は、日本人の方が賢いはず・・・と断言。
そんなこと書いたらアメリカ人の方々に怒られそうな気がしますが、カナダの真面目な大学の学者さんが、世界に向けて書いてる極めてアカデミックな論文ですので、たぶん、知識人の間では世界的にこういう認識が一般的なのでしょう。しかも、実際の調査結果でも、
「若者から中年では日本人の方がグループ間での紛争の解決において、アメリカ人よりも賢い、知恵がある」(
young and middle-aged Japanese participants showed higher wisdom scores than same-aged Americans for conflicts between groups.)との結論になったのだとか。
さらに
「高齢者においても、日本人の方が個人間での紛争の解決において、アメリカ人よりも賢い、知恵がある」(
For conflicts between people, older Japanese still scored higher than older Americans)とのこと。ただし、高齢者になるとアメリカ人が賢くなる分、観測できる文化的な差は小さくなるそうです。
あと最後に
「アメリカ人は歳をとると賢くなるが、日本人はそうでもないみたい?」(
while older age was associated with higher wisdom scores for the American participants, there was no such relationship for the Japanese participants)という日本人にはちょっと痛い指摘も・・・。コレ、本当??? うーん、なんとなく思い当たる節がないわけではありませんけれど、でも、なんでそうなるのでしょう?
〔ご参考〕
・
http://www.psychologicalscience.org/index.php/news/releases/does-wisdom-really-come-with-age-it-depends-on-the-culture.html:公式プレスリリース
Wisdom(知恵)を評価する際に、テストの成績とかじゃなくて「紛争の解決能力」をもってきてるところからして興味深いです。調査は、25~75歳までの日本人とアメリカ人が対象。紛争について書かれた新聞記事を使って「この後どうなったと思う?」とか「なぜそうなると思う?」など被験者に質問して、その答えを6種類の評価軸(他者への配慮、複数の可能性や知識の限界への認識、妥協力、予測力など)で評価したそうです。
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