

以前、
NY生まれのキック・スターター(Kickstarter)に600万ドルを集めるプロジェクト・・・とお伝えしましたが、あのスマートウォッチのぺブル(Pebble)、結局1,000万ドル(=1ドル80円換算で8億円)もの資金を集めました。すごい。他にも
iPhoneドックで146万ドル、
コミック本で125万ドル、ゲームで334万ドルなど今年は巨額成功例が続出。キック・スターターは最も成功してるクラウドファンディング(crowdfunding)サイトとして注目の的に。

キック・スターターだけじゃありません。同じくクラウドファンディング・サイトのインディ・ゴー・ゴー(Indiegogo)でも、今年、全米の注目の的となったファンディング事例が登場。
今年6月、スクールバス内で生徒たちから「集団いじめ」を受ける60代の女性の姿を撮影した動画がネット上で注目を集めると、心を痛めた見ず知らずの男性が、この可愛そうなお婆ちゃんに旅行をプレゼントしようと
インディ・ゴー・ゴーで寄付を呼びかけまして、最終的に集まった金額は、なんと70万ドル(=1ドル80円換算で5,600万円)超!!! そんなわけで、今年、このクラウドファンディングは「最新のインターネット事情」とか「インターネット先進国」アメリカならではの事例として頻繁にメディアが報じてます。
うーん、でも、今のように注目される前からキック・スターターの動きとか見てきて、
正直、この件に関して感じるのは「最新のインターネット事情」とか「インターネット先進国」とかそこまで関係ないかも?ってこと・・・。だって、昔からPaypalとか技術的にはネットで寄付を集めることは可能だったわけですから。
それよりむしろ、
いろんなモノが手に入る(=物質的に豊かな)アメリカでは、より多くの人々が誰かの夢を叶えるのを応援したいとか、単純に誰かを喜ばせたいって以前よりも強く思うようになってきたのではないでしょうか? きっと、そうすることで
自分自身もハッピーな気持ちになれるし、世の中全体もいろんな意味でより豊かになる・・・って分かっちゃった人が増えた。だから、上の例みたいな、まだ生産前の商品を作るための資金や、傷ついたお婆ちゃんに旅行をプレゼントするために(と言っても明らかに旅費を超える金額になってるわけですが)、お金が集まっちゃうんじゃないかなと思います。
あと、この人々の心理の変化は、クラウドファンディングの成長だけでなく、近年アメリカで様々な
社会貢献事例が増えているのとも関係が深いでしょう。
〔ご参考〕
・
www.kickstarter.com:公式サイト
・
www.kickstarter.com/help/stats:総プロジェクト数、金額ファンディング、成功プロジェクトの合計数などのデータ
・
Karen Klein Donations: Indiegogo Campaign Ended Friday With $703,873[07/20/2012, The Huffington Post]
・
Pebble Watch: Kickstarter Projects Generating Millions Of Dollars[08/17/2012, The Huffington Post]
・
The Good, the Bad and the Crowdfunded[August 18, 2012, WSJ]
先日、お伝えしたグリーク・ヨーグルトのチョバーニが、大手との競合の厳しいヨーグルト業界において、創業わずか数年でアメリカで一番売れてるヨーグルト・ブランドになったのも、もちろん、そのヨーグルト自体の美味しさとか成分の違いなどもあったと思いますけど、こうした消費者心理の変化が想像以上に大きな要因になってるような気がします。
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