

史上初のソーシャリンピック(Socialympics)となったロンドン五輪。開幕前は、主な競技を良い時間帯に生放送できた前回の北京と比べると時差の関係でそれができない今回の視聴率は下がる・・・との予測だったものの、終わってみれば、アメリカ史上最高レベルの記録!!! フェイスブック、ツイッター、ユーチューブなどのソーシャル・メディアの影響力の大きさを示す結果となりました。
検索してみると、軽く1000件超える記事が出てるほど。オリンピック期間中から米国での記録的な視聴率は度々話題になってたのでご存知の方も多いと思います。
で、こういうニュース見てて気になるのが「あれ、普段のアメリカの人気テレビ番組ってどんなのだったっけ?」って疑問。日本と違ってアメリカでは、番組の1シーズンはだいたい秋(9月)からはじまって春(5月くらい)に終了する編成になってまして、年間視聴者数ランキング(ニールセン調査)も毎年公表され各種ニュースになってます。冒頭の表は、
2009、
2010、
2011年までのトップ30番組の三年度分のまとめ。
赤字は歌コンテスト系のリアリティ番組で、ピンクがその他のリアリティ番組(
Reality television)。ご覧の通り、リアリティ番組が大人気!!! 具体的に言うと、2009年度(2009-2010)には30番組中12番組、2011年度(2011-2012)も30番組中9番組がリアリティ番組。リアリティ番組とは、素人出演者たちが直面する物語や体験を楽しめるテレビ番組のジャンルで、視聴者が参加する
双方向番組の一種。

また、トップを走り続けるFOXの歌コンテスト系リアリティ番組「アメリカン・アイドル」(AMERICAN IDLE)に対抗し、2010年度(2010-2011)にはNBCが同ジャンルの「ヴォイス」(VOICE)をスタートして善戦中。さらに2011年度(2011-2012)にはその「アメリカン・アイドル」を人気番組に育てた辛口審査員でTVプロデューサーのサイモン・コーウェル(Simon Cowell)さんが、自身でプロデュースする同ジャンルの「X ファクター」(The X Factor)を同じFOXではじめるなど、歌コンテスト系リアリティ番組が何かと注目を集めてる状況。
同じジャンルの番組が供給過剰な気もしますけど、でも、実際、ランキング上位に入ってるわけで、最新のアメリカのポップ・カルチャーや消費者心理を理解するうえでも極めて興味深い、重要な情報だと思います。
最後にこの件についての朝日新聞の近年のアメリカの「インターネットとテレビの関係」をよく分かってない
記事をご参考まで。

この朝日の記事の「ツイッターなどの交流サイト(SNS)で情報が瞬時に広がるうえ、NBCも全競技をインターネットで生中継するようになり、テレビの視聴率は下がると予想された・・・」は、かなり的外れです。一部インターネットの影響力についてよく分かってない人の中にはそういう意見を言う人もいたかもしれませんが、正確には、
ソーシャル・メディアの活用で視聴率は上がる・・・と期待されてたものの、北京と比べてロンドンは時差が良くないので視聴率が下がるとの予測でした。あと、当然のことながら、ツイッターだけによるものじゃありません。
〔ご参考〕
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ソーシャル・メディアを通じてみんなでテレビを楽しむ時代へのパラダイム・シフト[ 2011-12-03]
アメリカではもうインターネットはテレビの敵じゃなくて味方というお話
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アメリカでは、ここ10年でインターネット・ラジオの聴取者が5倍増に!!![2012-05-31]
テレビだけじゃなくてラジオでも
・
アップルが新聞業界を救う? ニューヨーク・タイムズ紙の発行部数が前年同期比で73%もアップ!!![2012-05-03]
新聞業界もようやく活路が見えてきました
・
ソーシャル・メディアの普及により米国広告業界に激変の予兆???[2012-08-12]
一般企業もソーシャル・メディアをどんどん活用しはじめています
長年トップだった「アメリカン・アイドル」をついに抜いたのが「アメフト中継」(NBC SUNDAY NIGHT FOOTBALL)ってのもおもしろいです。なお、リアリティ番組も、アメフト中継も、ソーシャル・メディアの活用で視聴者数アップに成功してる成功例。アメフトの優勝決定戦、スーパーボールの視聴率とCM料金(スーパーボールはアメリカのTV番組の中で一番CM料が高い)も過去2年連続して史上最高記録更新中ですが、これもソーシャル・メディアの活用が成功の秘訣と考えられてます。
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