突然、Googleが米国カンザスシティでの情報インフラ事業とケーブルTV型放送事業への参入を同時発表し、世界的な大ニュースに!!! 全部英語で1時間ほどありますが、Youtubeで公開されてるその発表プレゼンは、業界関係者の方々はもちろん経済学やマーケティングを勉強してる学生も超必見。
冒頭、今の時代の説明から。例えば、MITの全授業が無料でネットで見れる。インターネットの接続スピードが早くなれば、様々な活動の生産性を高め、新しいイノベーションやビジネスの基礎になり、仕事(職)を創造する。
実際に、「
一般家庭に高速インターネット接続環境が10%広まるとGDPが1%増加する」という研究結果もある!!!
パソコンやハードディスクの性能は年々急激に向上し、今みんなが持ってるスマートフォンは5年前のパソコンよりも高性能だというのに、アメリカでは平均的なインターネットの接続スピードも料金も10年前からほぼ横ばいで、他の国々に遅れてる。こんなの何かおかしい。だから、Googleは新たに「グーグル・ファイバー」(Google Fiber)をやることにした・・・、という流れ。
で、
提供するサービスは以下の通り。
月額120ドルで、上り下りともに1Gbpsの超高速インターネット通信、米国のケーブルTVと同じような「Google Fiber TV」(数百チャンネルのテレビ、数千本のオンデマンド有料映画を全てハイビジョンで提供)と2テラバイトの容量のDVR、1テラバイトのクラウドストレージ「Google Drive」等など・・・。なお光ファイバー設置費用は通常300ドルかかるが2年契約すると無料。
なお、「Google Fiber TV」は、検索機能があるなどインターネットとテレビの良いところ取りになってまして、さらに、テレビである番組を視聴しながら、スマートフォンや電子タブレットで別の番組を見れるのだとか。ほぉー、なるほどコレ、もともとのアイデアはたぶん、
2010年11月に発売されたGoogle TVですね。
月額70ドルは、月額120ドルプランから「Google Fiber TV」関連を抜いた超高速インターネット通信のみ。
で、ここで上手いのが3つ目のプラン。
いきなり光ファイバーはいらないっていう方々向けに、現在アメリカで一般的な速度(5 megabyte-per-second downloads, 1 megabyte-per-second uploads)のブロードバンド・サービスを今から少なくても7年間無料、なんとタダで提供!!!! 必要なのは最初の光ファイバー設置費用の300ドルのみ(それも月々25ドルの1年払いの分割払い可能)。
ここで話は終わりません。この新しい「グーグル・ファイバー」サービスでは、光ファイバーをお客さんの自宅まで引かなきゃいけないわけですが、Googleは、その光ファイバーの設置工事の順番をGoogleじゃなくて、お客さんに決めさせちゃうんです!!!
その仕掛けは、
光ファイバーを自宅に引いて欲しい人が「手をあげられる」専用サイトを用意し、ファイバーの設置工事に必要な最低人数をクリアしたエリアから引く、というもの。何人集まってるかはすべて公開され、「手をあげる」だけで10ドルの登録料がかかるなど、不正予防策もバッチリ。さらに、あるエリアに光ファイバーが設置されると、そのエリアにある学校や図書館ほか各種公的施設に、Googleが無料で光ファイバーを引いてくれるサービス付き!!!
つまり、コミュニティのみんなで協力しあうエリアほど早く引いてもらえる方式。ここまでやられると、「なかなか引いてくれない」という苦情は極めて出にくいでしょう。よーく考えられてます。
そんなこんなで他にもいろいろ参考になるアイデアが詰まってますので、詳しくは以下のプレゼンのビデオをご覧ください。
一般家庭に高速インターネット接続環境が10%広まるとGDPが1%増加する・・・
的な研究はいろいろ出てます(The Impact of Broadband on the Economy:
Research to Date and Policy Issues April 2012)
〔ご参考〕
・
https://fiber.google.com/about/:Google Fiber公式
コレ、たぶん、2010年11月にGoogle TVを発売してみたけどインターネット接続スピードが遅いからイマイチじゃんってなって、じゃ、自分たちで光ファイバーやろう!!!っていう流れじゃないかなと思います。上り下りともに1Gbpsも、もっと早くするつもり・・・と現時点で言っちゃってますし。さらにこの先に何かスペシャルなアイデアが隠されてるような気もします。
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