自然エネルギーへの注目が高まる昨今。ニューヨークでは、マンハッタンのすぐ横を流れるイースト・リバーの水中で、潮の流れを活用した潮力発電の商業運転がスタートへ。これは、2002年から進められていた「ルーズベルト島潮力発電(略してRITE)」プロジェクトによるもの。1月23日、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)に商業運転を許可されたのだとか。
潮力発電とは、潮の流れで水中に設置した風車のようなタービンをまわす発電方法。各タービンで発電した電力はケーブルでコントロール・ルーム(・・・と言っても、プレハブ倉庫みたいなものです)にまとめられ、新興電力会社の
National Grid社が送電する仕組み。
実は、2006年から、6基のタービン発電機からルーズベルト島にあるスーパーへ電力供給する実験を続け、見事に成功を収めてるんですって!!!
話だけ聞くと、壮大なプロジェクトのように思えますが、実は、このプロジェクトを進めてきたバーダント・パワー社(Verdant Power)は、いわゆる『バーチャル企業』。会社のオフィスはなく、各分野の専門家さんたちがメールや電話で連絡をとりあいながら、地道に実験を進めてきたのだそうです。2002年頃に試した初期のタービンは、予想以上に強い潮の流れで肝心のタービンの羽の部分が折れてしまったことも・・・。そんなこんなで様々な課題を乗り越え、現在までに自動制御システムとか、満潮・干潮時のニ方向性稼働などを成功させ、安定的な電力供給を実現。
まだ、タービン発電機を増やしたら、自然環境にどんな影響が出るかの調査&評価など課題はありますが、アメリカでも潮力発電の商業運転が許可されたのはこのプロジェクトが史上初!!! うまくいったら世界で売れる新技術ってことで、今後の展開に注目です。
■Verdant Power社のEast River Energy Project紹介ビデオ
〔ご参考〕
・
http://www.theriteproject.com/:The RITE Project公式サイト
・
http://verdantpower.com/what-initiative/:Verdant Power社
・
NY1 Exclusive: Underwater Windmill Farm Coming To East River:地元ニュース番組の報道
日本の原発事故が起こるずっと前の2002年から進められてたってのがすごいなと思います。あと、マンハッタンのすぐ横にあるルーズベルト島には、ニューヨーク版シリコン・バレーと呼ばれる巨大ハイテク・キャンパスを建設する計画(APPLIED SCIENCES NYC)もありますので、将来的にいろいろ相乗効果も出てきそうな気がします。
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