実食編に続きまして、ニューヨーク初上陸の「富士宮やきそば」特集!!! 小さな屋台を出店した
ストリート・フェア会場には、テレビや新聞などの取材も。さすがご当地B級グルメのチャンピオン。そんな強力な地域ブランドとしての「富士宮やきそば」をゼロから作り上げた渡辺英彦さんから、舞台裏のお話をじっくりとお伺いしてきました。
もとは保険のエージェント(今もそう)。やきそば屋としての実績ゼロ。国や自治体からの支援もゼロで予算ゼロ。当初あったのは、「活気の失われゆく地元のために何かしたい。自分らしく生きるためにも・・・」という素朴な思い。ビジョンだけ。
その思いに共感した、気心の知れた地元のみんなで、どうしたらいいのか考えはじめたのが全てのはじまり。
いろいろ模索していった結果、地元でごくごく当たり前に食べてた「やきそば」での町おこしに行き着いたのだとか・・・。ご当地B級グルメのお祭り、「B-1グランプリ」で2回もチャンピオンになってるので、「職人っぽい料理人」さんみたいな方かなと思ったら、ぜんぜん違うのです。もちろん、やきそばはめっちゃ美味しいんですけど、実は、やきそばよりも『地元の町おこし』が目的。
ちなみに、同じ頃にシンクロして日本全国で渡辺さんと同じような思いを抱き、バラバラに活動していた10団体の方々が一緒になってはじめた「B-1グランプリ」の参加資格も、「町おこし」が条件。単純に営利目的のご当地B級グルメは参加できないのだとか。
そんなわけで、活動の中心となる「富士宮やきそば学会」では様々な町おこしイベントを開催してまして、「
やきそばG麺」とか、「
ヤ・キ・ソ・バ・イ・ブ・ル―面白くて役に立つまちづくりの聖書」の出版など、人々の関心を引く創意工夫をこらしたアイデアもいっぱい。あと、ちょいちょい駄洒落を交え、「町おこし」や「地域活性化」をより身近で楽しいものにしてるところも、かなり興味深いです。
地元のみんなで和気藹々、楽しみながら手作りで作り上げてきた感じが、渡辺さんにお話を伺っているとすごく伝わってきますし・・・。
今回も、最初に渡辺さん見たとき、特設ステージでご挨拶してたんですけど、キング牧師の"I have a dream..."の名演説風にお話締めくくってました。"I have a dream that one day this nation will rise up and eat out Mt. Fuji Yakisoba..."(この国のみんなが富士宮やきそばを食べる日を夢見ています・・・)みたいな感じ。誰でも知ってる一節だから、全部言わなくても、ジョージアの赤い丘で黒人も白人も富士宮やきそば・・・などと続きが思い浮かんできます。うーむ。
以前からお伝えしてますが、ニューヨークでは様々なイベントや公園やお店、文化や教育の支援活動などが、市民団体によるNPOにより運営されてまして、その関係者には天才的なリーダーやコミュニケーターの方々(
しかもポジティブな方々)が非常に多いんですけど、渡辺さんなら今すぐそうした方々と仲良くなれそうな気がします。
オリジナルTシャツもいい感じ
第23代ミス富士山グランプリの井出由佳さん
〔ご参考〕
・
富士宮やきそば学会:公式サイト
なぜか渡辺さん、「ヤ・キ・ソ・バ・イ・ブ・ル」のバイブルとか、「使命」という意味のミッションとか、欧米文化のカギになるコトバの扱いがとてもお上手。こういう場面のスピーチの最後に、キング牧師のスピーチを踏まえたうえで自分の夢を語るなんて、天才かと思いました。日本各地で講演会をされる機会もあるそうなので、「地域ブランド作り」や「マーケティング」のお話はもちろんですが、「言葉と文化」とか「コミュニケーション全般」にご興味のある方も、渡辺さんのお話を伺ってみると面白いと思います。
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