8月、夏真っ盛り。レモネードの美味しい季節。毎年、この季節になると、アレックス(本名はAlexandra Scott、アレクサンドラ・スコット)ちゃんのことを思い出さずにはいられません。1歳になる前にガンにかかった小さな、小さな女の子。闘病生活の中、彼女はガン治療研究のための募金を募るレモネード・スタンドを、ご両親の反対を押し切って自宅の前ではじめます。
当時、アレックスちゃんはわずか4歳。自分の命すらいつまで続くか分からない状況の中で、自分のため、そして、小児ガンで苦しむ他の多くの子ども達のために、彼女は立ち上がりました。
アレックス・レモネード・スタンドの存在は、近所の方々に口コミで知られ、支援の輪が広がりました。1杯たった50セントのレモネードは、初日から2,000ドルの売上げへ・・・。
いつもレモンを買いに行く近所のスーパー(A&Pです)は、事の背景を聞き、レモネードの材料を寄付することに決めました。死に直面し、大人でも絶望するほどの状況にありながら、青く澄んだ瞳を輝かせガンと戦う小さな女の子の姿に、誰もが心を打たれたのです。次第に、アレックスちゃんの存在は新聞、テレビでも取り上げられるようになり、お母さんが闘病生活の様子をホームページ上の日記につけてたこともあって、支援の輪は全米へ。
誰もが奇跡を祈りました。アレックスちゃんがガンに勝って、生き続けて欲しいと祈りました。しかし、2004年の8月、わずか8歳でアレックスちゃんは天国へと旅立ったのです。
彼女の死を知った多くの方々が悲しみにくれる中、一番近くでアレックスちゃんを支え、誰よりもアレックスちゃんを愛し、そして、誰よりも彼女の死を悲しんでいるであろうお母さんは、日記にこう記しました。
アレックスは愛されました。私たち夫婦に愛され、兄弟たちに愛され、おじいちゃんやおばあちゃんたちに愛され、叔母さん、叔父さん、従兄弟にも愛され、友達に愛され、お医者様や看護婦さん達、そして、彼女の生きる意志に感銘を受けたあらゆる場所にいるすべての人々に愛されたのです。
彼女が亡くなった今週、何度も私たちは「アレックスがガンとの戦いに敗れた。」と人々が言っているのを聞きました。しかし、それはまったく事実とかけ離れています。アレックスはあらゆる方法で彼女の戦いに勝ったのです。
毎日ガンと向き合いながらも笑顔を忘れない、決して希望をあきらめることなく、人生を精一杯に生き、この素晴らしい希望と感銘の伝統を私たちに残したのです・・・。
たとえ死んでしまっても負けたことにはならない。どんなに絶望的で、どんなに苦しい闘病生活の中でも、限られた時間を精一杯に生きる。自分のためだけじゃなく、誰かのために・・・。それこそ意味があること、人生に勝つということなんだ・・・。
そんなお母さんのメッセージに、多くの人々は「人間の生きる意味」を考えさせられ、深い感銘を受けました。そして、アレックスちゃんの死後も、このアレックス・レモネード・スタンドは小児ガン研究のための寄付金を募る団体として、企業や団体も含めた多くの人々からの支援を集め、発展を続けています。
公式サイトの紹介文によると、これまで集めた寄付金は4,500万ドル(=1ドル80円換算で36億円)に達するのだとか。今では世界最大規模の小児ガン研究への寄付団体の1つ、になっているのだそうです。
アレックスちゃんの残した思いは今も子ども達に引き継がれています全米に広がる支援の輪様々な企業やさまざまな団体がアレックス・レモネード・スタンド運動に協力
アレックスちゃん紹介ビデオ
〔ご参考〕
・
www.alexslemonade.org:公式サイト
このブログでは2005年8月に一度ご紹介してますが、新たな読者の方々も沢山いらっしゃいますので改めて。不況や震災など、いろいろと希望を持ちにくい状況が続いていますが、だからこそ、アレックスちゃんやお母さんの残した「希望を忘れずに今を精一杯生きよう・・・」というメッセージが以前よりももっと心に響く気がします。
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