

ブロードウェイ・ミュージカルと言えば、ニューヨークを代表するエンターテインメントの1つ。海外公演で日本を訪れるショーもあるので日本の皆さんにも比較的身近かなと思います。このミュージカル業界、毎年5月末が年度の区切りということで、先日、米演劇界最高の栄誉とされるトニー賞の授賞式が開催され、記録的な結果となった最新興行成績も発表されました。
その内容によりますと、2010-11年度は、チケット売上(10億8千万ドル、1ドル=80円換算で864億円)と入場者数(1,253万人)がどちらも史上最高記録を更新!!! 新作の発表本数も史上2番目に多い42本とのこと。
リーマンショック以降の不況はどこへ?気になる好調の理由には、「昔より多様なショーが増え、より幅広い層が観劇するようになった」とか、「
無料アプリやSNSなど最新テクノロジーを活用した」などが報じられてます。
実際、今回のトニー賞のミュージカル部門で、作品賞を含む最多の9部門を受賞した「ザ・ブック・オブ・モルモン」(The Book of Mormon)は、まったく別ジャンルの世界の才能によって誕生してます。この作品、辛らつな社会風刺や放送コードぎりぎりの残酷描写などで有名な長寿人気アニメの「サウス・パーク」(
South Park)のクリエイターさんが中心という異色コメディ。

これまでミュージカルを見たことない「サウス・パーク」のファンや、お笑い好きな人々の動員を新たに生み出したほか、ミュージカルの専門家もうならす傑作に仕上がっているということで、既存のミュージカル・ファンにも大好評。トニー賞9冠は2001年の「プロデューサーズ」の12冠以来の最多記録となってます。
さらに、最新の全米アルバム・ヒットチャート(
The Billboard Hot 200)でも、オリジナル・キャストによる劇中歌アルバムが第3位にランクイン!!!
報道によると、ブロードウェイ・ミュージカルの劇中歌アルバムでは1969年の「ヘアー」(Hair)以来、約40年ぶりの最高位という歴史的な記録なのだとか。へぇー。コメディ・アニメの天才クリエイターさんが、まったく異なるミュージカルの世界で新たな才能を発揮したことで、これまでよりも幅広い客層をひきつけている証拠でしょうね。興味深い現象です。
そんなわけで、今、ミュージカルの劇場が集まるタイムズ・スクエアは史上空前の賑わいぶりとなってます。毎日がお祭り騒ぎ。都市の中にある1つのエリアと言うよりも、演劇やミュージカルのテーマパークみたい? 2009年からタイムズ・スクエア周辺のブロードウェイが、
常設歩行者天国化したこともあって、ほんの数年前(その当時から断トツの人気観光スポットでした)でも想像できなかったものすごい雰囲気になってます。
ザ・ブック・オブ・モルモン公式サイト
ブロードウェイが歩行者天国化したタイムズ・スクエア
すごい活気です
売上げの推移
観客数の推移
ニューヨークは昔から演劇が盛んな街として知られていますが、ここ数年でさらにグーンとパワーアップしてきたような気がします。世界的な不況だったはずなのに、なぜでしょう? むしろ、そういう時代背景のときの方が新しい才能が進出してきて活躍しやすいとか? いろいろ興味深いところです。世界中の演劇やミュージカル関係者の方々や、ファンの方々にとっては、まさに夢のような世界だと思います。
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