世界主要26カ国の「都市力ランキング」(Cities of Opportunity)なんてレポートが今月発表されてたんですね。何やら、世界4大監査法人の PriceWaterhouseCoopers(PwC)のコンサルティング部門とPartnership for New York Cityが2007年から続けてる年次調査で、4年目の今年、初めて総合ランキングを発表することになったのだとか・・・。
昨年まで10項目のカテゴリー別ランキングだけだったそうですが、どうしたのでしょう?
で、
プレスリリースを見てみると『
トップは調査開始から4年連続でニューヨーク!!! 一方、東京は2007年の2位から14位に大幅ダウン!!!』という注目を集める煽り文句が踊っているのに、肝心のレポート本体には『どこの都市が勝った、負けたってのは私たちのメッセージやこのレポートの目的じゃありません・・・』だって(笑)。何ソレ?
今年初発表という総合ランキングも、1位のニューヨークは別にして、2位トロント、3位サンフランシスコ、4位ストックホルム、5位シドニー・・・??? この手の調査ではちょっと珍しい斬新なランキング。東京が14位とかありえないって誰か突っ込まなかったんでしょうか。不思議。
気になって分析レポート読んでみると、ランキングが変動した都市として真っ先に東京の分析が書かれてます。
それによると、東京は評価対象となる10項目のうち6項目はトップ10入りの好成績で、「ビジネスのしやすさ」は12位とほどほどなんですけど、「人口構成と住みやすさ」、「物価の高さ」、「環境保護対策の遅れ」の3項目が大きく足を引っ張ったそうな・・・。
しかも、わざわざ補足的に「ライフ・サティスファクション(生活満足度)の点が低い」、"low score in life satisfaction"、とか書いてあるんですけど、こんなのどうやって調査したのでしょう。
まさか、アンケートじゃないよね?とか思って、算出根拠を示す脚注の小さな文字で書かれた説明(左図)を見たら、あー、やっぱり。
これ、「あなたは今の生活にどのくらい満足してますか?」って感じのアンケートやった結果なんですって。だから、毎度お馴染みで日本はかなり低い結果に・・・。こういうのって、個人の主観や、文化や国民性の違いで答え方に差も出るんですよね。いくら客観的に平和で豊かな国でも、外国との比較感がないと低めになりやすく、また、ポジティブ志向な人が多い国ほど満足度はどんどん高くなるし。しかも、"life satisfaction"の項目は今年から新導入されてて、過去3年間のデータはゼロなんですよぉ・・・。これ大丈夫?それでなんであのプレスリリースを発表する気になったのか、さっぱり分かりませんよね。
〔ご参考〕
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Downloads: Cities of opportunity:公式サイト
(関連過去ログ)
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全米ダントツ1位の観光地、NYのタイムズ・スクエア!
このランキング、日本が2位から14位に転落っていうプレスリリースだけ読んだ内容が注目されて各所に伝わってるみたいですけど、レポート本体をちょっと読んだら、時系列データの比較は意味がないのがよく分かります。正式に総合ランキングを公表したのは今年が初めてですし、過去の評価項目は統一性がありません。まだ試運転中って感じじゃないかと思います。ただし、どうやって調査してもずっと1位がニューヨークってところは、それはそれで興味深いです。
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