おそらく、世界に報じられた日本発のニュースの中で、戦後史上最悪のニュースでしょう。小佐古教授の内閣官房参与辞任の件。通信社が小佐古教授のコメントとして伝えた一文、"
the government had ignored his advice and failed to follow the law" (日本政府は彼の助言を無視し、法を犯した)は一気に世界中へ。この日のうちにGoogleニュース検索で1331本もの記事が・・・。
独自に取材記者をこの会見に送ってたと思われるウォールストリートジャーナルも、 "
have ignored the laws and have only dealt with the problem at the moment."(日本政府は法律を無視し、場当たり的な対応しかやってない)という内容・・・。
つまり、日本政府中枢で原子力アドバイザーのトップを務めていた人物が、
『原発事故の対応で日本政府が違法行為を行っていた』と内部告発したっていうニュースが確固たる事実として、今、世界中に伝わっているのです。これは対応を間違えると、非常にマズイ出来事です。ヤバイ。日本と欧米諸国の文化の差や、価値観の違いが表出し、ややこしい話に展開してしまうかもしれません。
管政権へ1度目の内部告発となった
尖閣ビデオのニュースのときにもご紹介しましたが、欧米、特にアメリカでは、企業や政府が不正行為を行ったと告発する内部告発者はヒーロー、ヒロインとして扱われる傾向があります。
2002年には、雑誌「Time Magazine」がその年最も活躍した人を選ぶ恒例企画、"Person of The Year" (パーソン・オブ・ザ・イヤー)に、ワールドコム、エンロン、FBIの不正を内部告発した3名の女性が選ばれたほど。
尖閣ビデオの件を思い出すとよくお分かり頂けると思いますが、一方、日本では、『内部告発者』に対する取り扱いがまったく欧米とは違います。
日本国内だけで済む話なら大きな問題にはならないのでしょうけれど、今回の原発の問題のように世界中から注目されている事象で、
『原発事故の対応で日本政府が違法行為を行っていた』などという内部告発が出てしまったら・・・。
海外報道では、まだ日本政府からのコメントは出てないなんて伝えられてますが、政府関係者の方々は、こうした文化や価値観の違いもふまえたうえで、海外向けに一刻も早くしっかりと十分に説明(釈明?)して頂きたいと思います。すでに外務省の方々が密かに陰でいろいろと動いてくれてるとは思いますけど。
政府関係者の方々や、その密かに動いてる外務省の方々にお願いがあります。海外に住んでいる日本人が、この件について質問されたら何て答えたらいいかとか、今の政府の対応ぶりについてどう説明したらよいのか、適切なアドバイス頂けると非常に助かります。特に内部告発については、文化や価値観の違いがありますので、答えを間違えると大変です。一方的に小佐古教授の方に問題があるという説明だと、長い年月をかけて築いてきた日本や日本人への信頼が台無しになってしまうかもしれない、とてもセンシティブな問題だと思います。
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