

なんかいきなり、Googleが創業2年も経たないベンチャー企業を$6 billion(60億ドル)で買収交渉中というニュースが飛び交ってます。会社の名前は、Groupon(グルーポン)。2008年11月にシカゴからはじまり、すぐにニューヨーク等の東海岸、そして全米、全世界へとサービス提供都市を展開したオンライン・サービス企業。

サービス内容は、簡単に言うと、
会員向けのお得な「共同購入機会」の提供。一定の人数が集まると値引きが適用され、その時点でクレジットカード決済も代行。購入者には商品やサービスの購入証明書を発行し、お店には売り上げを振り込みます。
あとは購入者が証明書をその地域にあるお店に持ってけばお得なお買い物ができる仕組み。
創業2年目の2010年の売り上げが早くも$500 million(5億ドル)に達する見込み!!!
急成長の理由には、
(1)地域に密着(人数設定など小口にも対応)、(2)販売機会に直結、(3)FacebookやTwitterなどのSNSの普及により「共同購入」の呼びかけがしやすくなってること、などなどが挙げられてます。なるほどー。確かにインターネットは『ローカル情報』ともともと相性が良いんです。しかも、そのニーズは年々高まってるんですよ。

いろんなデータ出てますが、専門家によると例えば
すべてのネット検索のうち30%はいわゆる『ローカル情報』の検索だとか(2007年3月時点)。
専門調査機関の発表で、普通の検索利用数が年間21%増なのに対して、
『ローカル情報』の検索は年間58%増だとか(2008年数値、comScore調べ)。
まぁ、データ出すまでもなく、Googleとかでお店や場所を検索することって、結構多いですよね。
ネットに慣れれば慣れるほど多くなるでしょうし、あと、出張先や旅先の情報は、他の方法が思いつかないくらいネットで調べるのが一番お手軽で便利。
さらに、『ローカル情報』を検索するときは、他の一般的な言葉の検索よりも、その後、実際にその場所やお店に訪れてお金を使う(=購買行動へつながる)傾向がかなり強いんだそうです。
つまり、『ローカル情報』サイトは一般情報サイトより広告効果もずっと大きいってわけですね。そして、グルーポンの場合、お店を訪れる前に支払いにも対応してますから、その広告効果はさらに大きくなってると考えるのが自然でしょう。うーむ。なんとなくここがこのアイデアの基盤になってるような気がします。

あと、これは補足的な内容ですけど、さらにこのジャンルの先行者であるグルーポンには、
「トレンドを作る人々が集まってる」って強さもあります。
どんなトレンドやブームも、まずは最新情報に敏感なイノベーター層、アーリーアダプター層から、マジョリティへと広まっていきます。生まれて2年のグルーポンを今活用してるのは、まさにこのイノベーター層、アーリーアダプター層で、
トレンドを作る人々をバッチリ確保済み。これだけで追随する類似サービスとは様々な面でかなり差別化されます。簡単に言うと、類似の動画サイトがYoutubeに追いつけなかった理由と同じ。
このイノベーター層、アーリーアダプター層の方々は、もちろん他の便利なSNSやウェブサイトも併用していて、「グルーポン」を広めます。例えば、ネット上でニューヨークのレストランのレビューサイトとか見てると、「グルーポンで買ってみた・・・、行ってみた・・・」なんて記述が実際に増加中。
その結果、「グルーポン」はどんどん普及し、「グルーポン」でセールス・キャンペーンをするお店や企業も増え、さらに彼らはその情報を広めるっていうポジティブ・スパイラルへ・・・。で、だから創業2年目で$500 million(5億ドル)の売り上げ見込み(たぶん、追随する類似サービスをかなり引き離してるはず)ってことじゃないでしょうか。
〔ご参考〕
・
www.groupon.com:公式サイト
グルーポンって在庫抱える必要ゼロなオンライン・ショッピング・サイト(+常時セール中)っていう見方もできますね。強いなー。あと、Googleの前にYahooが買収するって話も出てました。リーマンショック後の不況もグルーポンには追い風になってる感じします。
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