
毎年、その年の締めくくりに発表され、その人物が表紙を飾る雑誌「Time Magazine」 の恒例企画、"Person of The Year" (パーソン・オブ・ザ・イヤー)。上の写真は2002年の表紙です。選ばれたのは3名の女性、
"The Whistleblowers" (ホイッスル・ブロワーズ)。これは文字通りホイッスルを吹く人々のことで、日本語に訳すと
『内部告発者たち』。

今から8年前なので覚えてない方もいるかと思いますが、2002年は、ワールドコム、エンロンによる不正会計処理とその隠蔽工作が相次いで発覚し、破綻して社会問題になった年でした。
そのきっかけとなったのが、不正を内部から告発したCynthia Cooperさん(元ワールドコム監査部門副社長、会計士)とSherron Watkinsさん(元エンロン経営部門副社長、会計士)。
そして写真中央はColeen Rowleyさん(元FBI捜査官、現在は議員候補)。彼女が告発したのはFBI(=連邦捜査局)の失態の実情でした。当時、FBIはテロ計画など
国益に関する極めて重要な情報の取り扱いや意思決定に組織的な問題があったことを隠蔽しようとしていたのです。
当時、ワールドコムもエンロンもアメリカを代表する大企業、FBIにいたっては国家権力の一部ですから、すべてのリスクを抱えて告発し、その後、企業統治の徹底やFBIの組織改革をもたらした彼女たちの勇気と功績を、米国メディアや国民は敬意をもって称えたのでした・・・・。
なんか詳しいことはよく分からないのですけれど、例の海保の巡視船に中国船が2度ぶつかってきたビデオ映像が『流出』したニュースを見て、このタイムの表紙を思い出しました。あら?、これって『流出』じゃなくて内部告発じゃないの?とか思ったんですけど、やっぱり日米で物事の考え方というか、文化というか、何か違うのでしょうか。
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