ブロードウェイ・ミュージカル劇場街にほど近い場所に、昔からある小さな本屋さん、
ドラマ・ブック・ショップ(Drama Book Shop)。ここは演劇やドラマ書物を専門に取り扱うユニークな本屋さん。場所はミッドタウン、8~7番街の間の40丁目沿い。
一般の日本人にとって、演劇やドラマは主に見るもので、自分がやってみるって感じじゃないですよね?でも、アメリカでは
『ある役を演じること』(=演劇)は仕事のスキルアップ、自己啓発、児童教育などに取り入れられ、非常に身近な存在になってます。
この本屋さんでも、入口すぐの場所に一般人向けの演劇コーチや、演劇を使ったセラピー等の宣伝広告がずらり。
実はニューヨークではこの傾向が特に強いかも?何故かというと、移民時代に大勢やってきた清教徒の方々は「神様じゃない人間が誰かの役を演じること」(=演劇)は反宗教的な活動と考えてボストン等では禁止してたんですが、ニューヨークは当時から「宗教的な自由」や「表現の自由」を尊重してまして、結果的に、演劇やドラマ好きな人たちがここに集まってどんどん発展させていったっていう歴史的背景があるんです。
「演劇」はニューヨーク文化の一部って感じかもしれません。だから実際、いろんなイベントに登場する方々(=普通の人たち)の立ち振る舞い方や、テーマの広げ方などの演出もやたらに上手で、素晴らしいものが多め。中心となるリーダーの方々だけでなく、そこに関わる全ての人々がまるで配役を演じる役者さんのようです。演劇的な発想を無意識レベルで共有してる感じ?
つまり、みんな「役割り」や「立場」をよく理解してまして、それに応じた言動をちゃんとできるんですね。
うーむ、「役割り」や「立場」かぁ・・・。
そういえば、ピーター・ドラッガーさんが著書の中で、
『いかなる人間社会でも、個人の「役割り」や「立場」が明確なとき、その社会は機能し、発展する。』みたいなこと書いてましたっけ。
例えば、学校の先生や生徒たちの「役割り」や「立場」が明確だと生徒の成績もよくなるし、学校の雰囲気も良くなりますが、その逆だと、学級崩壊するとか。家庭の親と子の「役割り」や「立場」が明確なら、子どもはすくすく育って、みんな笑顔いっぱいになるけど、そうじゃないと親が子を殺すなど悲しい事件になったり。あと、社会人の皆さんにとって身近な例をあげると、業績の良い会社はそこで働く人たちの「役割り」や「立場」がきっと明確になってるでしょうし、「あの人は仕事できるよー、役割りや立場は謎だけどさぁ」って人はいないですよね(笑)。
だから、もし、仕事で新しいプロジェクトの企画を立ち上げる時とかは、細かい企画内容については決まってなくても、「大枠の方向性」とそこに関わる人々の「役割り」や「立場」をはっきり明確にしておくと、結果的に良いものができるかもしれません。進めながら細部は柔軟に決めてくみたいな・・・。また逆に、企画内容についてはあーでもない、こーでもないと事前にいろいろ考えたのに、そこにどうやってみんなが関わってくのかっていう「役割り」や「立場」がちゃんと明確になってなかったりすると、ぜんぜんうまく進まなかったり・・・。誰かやってくれるんでしょ?みたいなチームだと機能しないですし、発展するわけないですからね。
たぶん、皆さんもそんな例をいくつも思いつくんじゃないでしょうか。結局、人間がやってることですからね。学校でも、家庭でも、会社でも、人間の集まりの中ではそこに関わる人がどういう立場で何やるかってことが重要なわけです。
いっそのことドラマや演劇だと思って日常生活におけるみんなの「役割り」や「立場」を見つめなおしてみると、新しい気づきや発見があったり、いろんなことがスッキリしてくるような気もします。いろんなアクティング・レッスンあります
ちょうど時代が変化していく中でいろいろ世の中が複雑になってきてますので、改めて、「役割り」や「立場」を考えてみるっていうのは、案外、いいんじゃないかなと思います。こないだご紹介した今ニューヨークで大注目のLuke's Lobsterも、ドラマのキャスト紹介のようなスタッフ紹介ページがあって一人、一人の「役割り」や「立場」どころか個性まではっきり伝わってきますしね。これなら組織はバッチリ機能するし、当然、発展するわけです。
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