先週、ニューヨークのウェスト・ビレッジに、地元NYを代表するファッション・デザイナーの
マークジェイコブス(Marc Jacobs)さんが本屋さんをオープン。その名も、ブックマーク(
Bookmarc)。ご本人がセレクトしたファッション系、アート系の書籍を中心に、文具や雑貨を中心としたオリジナル・グッズも販売。小さなお店は早くもにぎわってます。
昨年から今年、日本にもアマゾンの「キンドル」やアップルの"iPad"が黒船のようにやってきて、紙の本や本屋さんが無くなっちゃう・・・なんて声も出てるようですが、電子書籍で一足先行くニューヨークの街角では本屋さん増えてる感じ?
気になって調べてみると、つい
先月のニュースで、米国北東部の書店組合(
The New Atlantic Independent Booksellers Association)が『
閉店する書店数は、新しくオープンする書店数に相殺されて、この10年ほど会員書店数は300店舗で安定しており、新しいビジネス戦略が発展中』とのこと。
さらに、8/1付の
New York Magazineには、
" Indie Bookstores Rising "(独立系書店が上昇中)って特集記事も。
Strandなど独立系書店の老舗の名店はもちろん、最近オープンした注目の
新しい書店のリストまで掲載。どうやらニューヨークでは小さな街角の本屋さんって、本当に増えてるようです。
でも、なんで??? この現象、書店や出版関係者などの業界関係者さんだけじゃなくて、本好きな皆さんも気になりますよね?
その理由や最新動向について、
Google Editionsと書店組合が提携して紙の本と電子書籍をバンドル販売する動きなど、いろいろ面白い分析も出てますが、どうやら重要なのは、
"Locavore"(ロカヴォア)っぽいですね。
"Locavore"(ロカヴォア)とは、2005年に登場した新語で、オックスフォード辞典の2007年「年間コトバ大賞」 (
Word of the Year)受賞単語。
その意味は、
地元の農家さんたちの青空市場でお買い物するとか、
地ビール工場や、地元アーティスト、デザイナーを支援するとか、そういう活動をする人のこと。
つまり、消費者側の心理に変化が起こっていて、全国チェーンのスーパーとかより多少値段が高くても、新鮮で、安全で、作り手の顔の見えるモノを買いたいって思う人が年々増えてきてるのだそうです。
また、売り手側についても、青空市場で農家さんが自分で育てた野菜やフルーツの美味しさを熱意をこめて語るのと同じように、
自分たちがこだわりを持って揃えた本やお店の個性を熱意をこめて表現する地元のお店がお客さんに支持されてるみたい。画一的な全国チェーン店にはない、地元の方々の共感をえるユニークな魅力が「成功の秘訣」?
そういう意味では、ニューヨークは、世界各国からいろんな文化や価値観を持つ人たちが集まっていて、
もともとユニークでこだわりのあるお店が育まれやすい環境ですから、小さな街角の本屋さんが活気あるのも自然な流れなのかもしれませんね。
以下、
New York Magazineの記事で紹介されてた新しい書店の中から、マンハッタン内にあって手軽に行けそうな書店の情報です。
BookBook: 266 Bleecker St., nr. Morton St.; 212-807-8655Idlewild: 12 W. 19th St., nr. Fifth Ave.; 212-414-8888Posman Books: 75 Ninth Ave., at 15th St.; 212-627-0304 (チェルシーマーケット内)
昔からよく、「その国が将来どのように発展するかは、そこの本屋さんを見れば分かる」なんて言われてますし、電子書籍が普及しても街角にどんな本屋さんが残って繁栄を続けていくのか、興味深いところです。なお、冒頭にご紹介したマークジェイコブスさんの本屋さんは、NYカップケーキの代名詞マグノリア・ベーカリー(Magnolia Bakery)の真向かいになります。
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