ファミリー・フレンドリーなイベントやスポットだらけなニューヨーク。経済誌フォーブス(Forebes)の調査では、今年、「
米国で働く母親に最適な都市」の第一位にも選ばれてたりもします。こうした生活環境やムードは、やっぱりニューヨークならではの文化、価値観、ライフスタイルなどによって築かれてきたものだと思いますが、あっちこっちでチビッ子たちの微笑ましい姿を頻繁に見かける原因って、実は、他にもあるんですよー。
近年、少子化が社会問題になってる日本の感覚からは少々イメージしにくいかもしれませんが、なーんと!アメリカではここ数年ベビー・ブームが起こってるんです。
しかも、今年3月の政府発表では、2007年に生まれた子どもの数は米国史上最多を記録!これまで最多だった1950年代のベビーブーマー(日本の団塊の世代と同じような集団)を上回ってしまうほどの勢いなんですよ。
あれれれ?国民の教育水準が高まったり、男女同権で女性の社会進出が進む先進国では少子化になる傾向がある・・・とか、戦後の高度成長の頃と違って今は子育てにはいろいろお金がかかる時代だから・・・なんて感じのお話を昔から聞いてた記憶があるんですけど、どういうことなのでしょうね?しかも、大きな政府で社会福祉制度が充実したヨーロッパの国々じゃなくて、バリバリ自由競争がモットーなアメリカ(おまけに、小さな政府を目指すブッシュさんの共和党政権下)で、生まれてくる赤ちゃんの数が史上最多を記録するほど増えるって、日本のこれまでの常識では理解不能な現象のような気がするんですけど・・・。
理解不能なままですけど、データをもう少し見ていきましょう。
2007年に生まれた子どもの数の州別データがあったので(
Kids Todayの今年6月の記事)、これをもとに多い順にランキング表を作ってみたら、ニューヨークはカリフォルニア、テキサスに次いで3位で、25万人を超えてます。
トップ3はもともとの人口の違い(カリフォルニア州3676万人、テキサス州2433万人、ニューヨーク州1949万人)を考慮すると、不思議なことにだいたい同じくらいの比率で増加。アメリカって州によってかなり暮らしぶりや住んでいる人々も違うんですけど、なんでこんな結果になるのでしょう。うーむ・・・。
最後に、上の政府発表よりもずっと前、2007年3月のニューヨーク・タイムズが興味深いデータを掲載していたので、後でいろいろ考える材料としてこれも書き加えておきます。
2005年の国勢調査の結果、2000年からの5年間でマンハッタン在住の5歳未満の子どもの人口は32%の増加を記録し、その原因が裕福な白人家族だったことが調査により初めて確認されたそうです。また、少なくても1960年代以降で初めて、マンハッタンに住むこの年齢層の子ども達の中で、白人の子の数が、ヒスパニック系やアフリカン・アメリカン系の子の数を上回ることになったそうです。つまり、移民の方々がどんどん子どもを生んでるってことでもないみたいです。
〔ご参考情報〕
・
National Vital Statistics System- Birth Data
- Source:
Preliminary Data for 2007
・
2007 birth rate tops 1950s baby boom peak by the numbers(
Kids Today, 6/1/2009)
・
07 U.S. Births Break Baby Boom Record(
NYTimes, March 18, 2009 )
・
In Surge in Manhattan Toddlers, Rich White Families Lead Way(
NYTimes, March 23, 2007)
このアメリカの出生数が過去最高を記録したっていうニュースは、あんまり日本で注目されてる感じがしないんですけど、少子化が社会問題になってる日本にとっては結構重要な話題のような気がします。ちょうど政権も交代しましたし、これを機会にこの現象を細かく見ていったら今まで見過ごしてきた何か重大なことに気づくかも?
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