ニューヨークの街角で見かけたアンティーク・ショップ。こんなお店あったっけ?と思ったら、2008年7月にオープンした比較的新しいお店なんですって。店名は、
Cure Thrift Shop。よく見ると、店頭に『糖尿病研究機関を支援するため・・・』と書いてあります。場所はイースト・ビレッジ、3rd Aveと4th Aveの間の12丁目沿い。
店内に入ると外観から想像したよりもずっと奥へと広い店内。小物のアンティーク雑貨やビンテージのワンピースだけではなく、大きな家具や古いピアノまで、とても綺麗に陳列された様々な品々。
お店の方に聞いてみると、この
Cure Thrift Shopは、アンティーク・ショップやフリーマーケットが多いニューヨークで生まれ育ち、幼い頃からお母さんと一緒にショッピングするのが好きだった女の子(オーナーのLiz Wolffさん)が、オープンした自分のお店なんですって。
これだけでもドラマティックなストーリーですが、さらに驚いたことに、Lizさんは11歳の頃から糖尿病を患っていたこともあり、このお店の利益を全て糖尿病研究基金へ寄付してるんです。全額自己資金ではじめたお店なのに、ですよ。実際、今年2月までに寄付した金額はすでに20万ドル(=1ドル100円換算で2千万円)に達しているんだとか!資料によると、Lizさんいわく、
"I decided that I wanted to open my own thrift shop to benefit a cause that was close to me, and of course, diabetes came naturally, so I just combine the two things I cared so much about."
(自分に身近な社会貢献活動を行うために、自分のアンティーク・ショップを開きたいと決めたんです。もちろん自然に糖尿病について何かできないか、となりました。私は自分でとても気になっていた2つのことを一緒にしてみたんですよ。)
大人になって2年間ほど他のアンティーク・ショップで働いた後にようやくオープンしたこのお店には、なんだか優しい空気が漂っています・・・。子どもの頃から糖尿病を患いながら生きていくことは決して楽なわけがなく、夢を抱くことすら難しい状況だったとしてもちっとも不思議じゃないのに、自分のことだけじゃなくって最初から世の中のためになるお店を出したいって、どうしてこんな思いを持ち続けることができるのでしょう。
洋服コーナーは地下広い店内種類も豊富大きな家具や・・・ピアノまで
CURE THRIFT SHOP
Add: 111 East 12th Street (between Third and Fourth avenues)
Tel: 212 - 505 – SHOP
ニューヨークには、NPO組織の活動費に利益の全てを寄付しているUsed Book CafeやHousing Works、 あるいは、NPOそのものが出しているアート本の本屋さん、Printed Matterなど、従来の資本主義の考え方では成立しない、新しい形の経済活動が次々と登場してまして、しかも、かなり多くの市民がこうした新しいトレンドを支持しています。無料で楽しめるパレードや野外イベントなどがニューヨークではやたらに盛んなのも、その背景にはこうしたトレンドと同じ価値観があるんじゃないでしょうか。
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