
「国際平和と安全の維持、基本的人権と人間の尊厳、経済、社会的進歩と生活水準の向上をめざす」という理想に挑戦し続ける世界最大の国際機関、国際連合(United Nations)。でも、その活動内容とか実はよく分かってなかったりします。庶民にもできるお手伝いとか何かないのかな?ってことで、社会勉強も兼ねてニューヨーク国連本部へ。

ミッドタウンのイースト・リバー沿いにある巨大なビルが国連本部。国際司法裁判所を除くすべての主要機関はニューヨークの国連本部が拠点です。
国連とその関連機関は、伝染病、飢饉、人権、国際紛争、途上国開発、環境など、『1つの国ではどうにもならない問題』をみんなで協力しあって対処できるよう、幅広い責務を行ってますが、各国の主権を尊重しなければなりません。
当然、利害の対立する国々が国連の決定に従わなかったり、国内の諸状況から従えなかったりする国々も出ます。
それを問題視されることもありますが、そもそも歴史も文化も国家の体制も異なる192ヵ国もの国々が、より良い世界のために協力しようって思って、1つの国際機関に参加してることが、すごいことですよね。それに、それほど知られていませんが、国連の過去の活動成果はスバラシイのです!

天然痘やポリオなど伝染病の駆逐を筆頭に、マラリアや寄生虫病の予防接種、安全な飲み水の提供、消費者の健康保護の推進などの結果、健康状態を改善する子ども達の数は毎年数百万人に達します。
さらに毎年、全世界における食糧援助の約3分の1を提供(世界食糧計画 - WFP)。
途上国の開発援助にも年間約90億ドルの予算(UNDP)を使って世界中で数千件の開発プロジェクトを支援し、約90億ドル相当の追加的な民間・公共投資も創出・・・って、こんなの序の口。

全部挙げたら簡単に本になります。しかも、ノーベル平和賞を7回受賞っていう、そういうレベルの内容。すごいとしか言いようのない実績。凄すぎちゃって遠い世界の出来事のように感じてしまいます・・・。うーむ。別に外交官でもなければ、政治家でもなく、お医者さんみたいな特殊技術もない、私たち普通の一般人にもお手伝いできることなんて、いったい何かあるんでしょうか?
答えはYes。もちろん、あります。っていうか、実はすでに皆さんもバッチリ協力してたりして?もうお気づきの方もいると思いますが、例えば、あの
World Water Dayのユニセフ(UNICEF)も国連関連機関の1つなんです。
Earth Dayだってそう(UNEP)。そうなんです。当たり前のように行われている私たちの身近な社会貢献活動が、実は、国連やその関連機関の活動につながってたりするんですよ。
ついついPKO(Peacekeeping Operation:平和維持活動)などに注目が集まりがちですけど、人権問題や環境問題などに関する活動も色々ありますし、国連の活動って決して遠い世界での出来事なんかじゃないんですね。実際、今でも、国連はこう呼びかけています。
「国連の活動は、この世界に住む皆さん一人一人の協力と支援によって支えられています。より良い未来の世界は、皆さんの手の中にあります。」
ツアーで見学できます
ボートには「教育は、世界を変える最強の武器」の文字
広島、長崎の原爆展も常設
連日多数の会議が開かれています
世界中から寄贈されたアート作品も豊富
Golden Rule:Do unto others as you would have them do unto you.
【ご参考】
・
国際連合公式サイト
・
国連テレビ(UN in Action Television Series)
・
国連本部公式ガイドツアー(Guided Tours)
国連本部では、平日の午前9:45から4:45 p.mまで施設内をまわる有料ツアーを実施しています。所要時間は45分ほど。チケットには限りがあり、人気のため午前中に売り切れることもあるのでご注意ください。料金は大人12ドル50セント(60歳以上シニアと学生は8ドル、小学生は6ドル50セントの割引料金あり、4歳以下は安全面の理由から参加できません)。また、国連本部の
Visiter's Entranceは1st Ave.の46th Streetです。地下鉄の最寄駅(グランド・セントラル・ターミナル)から徒歩、または国連前まで行くバス(M15, M27, M42, M50, or M104、下のバスマップを参照下さい)もあります。
国連ができてから64年。いつの時代も埋まらない「理想」と「現実」の溝。繰り返される戦争の悲劇。大勢の人々が傷つき、倒れ、対立し、それでも人類はこの「理想」を掲げてきました。きっと、それは「理想」を追い求めることが『人間らしく生きること』だからなのかもしれません。また、過ちを繰り返すのも『私たちが人間だから』なのでしょう。でも、間違いなく確実に、未来は今を生きる私たちの手の中にあるんですよね。いろいろ考えさせられます。なお、今回の記事はちょっとした切欠から国連広報官の植木さんに大変お世話になりました。
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