私達が住むこの世界。みんな色んな思いを抱き、いろんなこと感じて日々を生きてます。でも、その思いを素直に言葉にしたり、実際に行動に移すことは、時にそんなに簡単じゃなかったりします。だから、次第に大人になるに連れ、本当の自分の気持ちを見失うことも・・・。
だからこそ、私達は「自分らしく」あるために、あるいは「自分らしさ」を取り戻すために、音楽、ダンス、アートなど様々な形の自己表現に魅かれるのかもしれません。
先日ご紹介した
小さなアーティストや、数々のミュージシャンやパフォーマーの方々など、ニューヨークでは普通の街角にまで、多種多様な「思いの表現者」の方々が登場し、それぞれユニークなスタイルで私達に大切なことを気づかせてくれます。
先日、ユニオン・スクエアの公園入口で遭遇したのは、くしゃくしゃの髪にメガネをかけた色白の青年。ストリートでパフォーマンスを行うようなタイプにはまったく見えませんが、彼の手元には"Free Poem"と書かれたダンボールのボードと古いタイプライター。
話を聞いてみると、彼は、ある1つのテーマ(自由に選べます)について道行く人たちとスモールトークをした後、会話に出てきた様々な思いをベースにして、その場で詩を書くという詩人なのだとか。まさに、「思いの表現者」というか、「思いの代弁者」ですね。さっそく、春(=Spring)について詩を書いてもらうことに。まず、春について何を思うか、何を感じているかなどについて、あーだ、こーだとフリートーク。だいたい流れが見えてきたところで、青年はタイプライターを打ち始めます。途中、いくつか確認事項のような会話を経てほんの5分ほどで完成。すると、青年は立ち上がり、今できあがったばかりの詩を朗読してくれるんですよ。
最初は誰も近づかなかった彼の周りに、いつの間にやら人垣ができ、詩の朗読が終わると大人も子どもみんなで拍手・・・。なんだかすごくハッピーな雰囲気に包まれました。
その場でタイプしてくれます完成すると朗読も詩人のベンくん
〔できあがった詩の和訳(意訳してます)〕
春について
「変化」は思いがけない偶発的なものであり、しかし、 好運なものでもある。そして、僕らは「変化」に伴う美しさに盲目なのかもしれない。「変化」と「移り変わり」。例えばたったの1ドルでも社会に変化を生む(訳者注:World Water Dayの話題から)、冬から春へと季節は移り変わる、寒さから暖かさへ、しかめっつらも笑顔満面に・・・(訳者注:ebullientの名詞形、多分造語、スペルミス)。
でも、春にはもっと多くの楽しみがある。それは特別な美しさではなく、特別に大きな愛や特別なお花でもなくて、ありふれた日常にあるのさ。
公園で見知らぬ人から「グッドモーニング」と声をかけられ、芝生やたんぽぽをベッドに。たぶん、春とは「幸福」を意味するのかもしれない、そう、君が言うように。そして、たぶん、それは消えることのない愛なのかもしれない。愛より少し足りなかったり、ある部分ではそれ以上になったりするけど。そう、春は、不確かな好奇心と美しさの特別な移り変わりであると同時に、普通の毎日でもあるのさ。それは、新しい光を見ることができる窓であり、フィルター(訳者注:filter スペルミス)のようなものかもしれない。
4月から新年度、新学期ってことで、今の自分の思いを手帳や日記に書いてみる方も多いと思います。今回思ったんですけど、1人で書くんじゃなくて誰かと話し合って詩にしてみるのって結構面白いですよ。あと、この詩の最後の部分、心のあり方次第だよねっていうメッセージは特に会話に出てきてなかったんですけど、ベン君が話の流れを結局そうまとめてくれたみたいで、なんかとても気に入ってます。
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