アメリカで一番最初に移民が移り住み、建国当初の首都でもあったニューヨークには、歴史を感じさせるエリアや建造物もいっぱい。ハドソン川を見下ろすリバーサイド・ドライブ沿いの丘の上にあるこの白い建物もその1つ。場所は、122丁目付近。1897年竣工の国定歴史建造物なんですけど、これ、いったい何か分かりますか?
最初の国会議事堂だった
フェデラル・ホールのように建国当初の政府関連施設みたいなものかと思うでしょ。違うんですよー。これ、なんとお墓なのです。うわ、でかっ!って感じですけど、実際、アメリカで一番大きなお墓なんだとか。
誰のかというと、南北戦争(civil war)で奴隷解放を掲げた北軍を勝利に導いた英雄、後に第18代大統領にも就任したグラント将軍(Ulysses S. Grant)のお墓。
多分、「アメリカ南北戦争」って聞いて大半の日本人が思い浮かべる人物名は、"
government of the people, by the people, for the people."(人民の、人民による、人民のための政府)のゲティスバーグでの演説で有名なリンカーン大統領?
グラント将軍を挙げる日本人は結構少ないと思いますが、アメリカではとてつもない偉人かもしれません。エジプトのピラミッドとか、徳川家康の日光東照宮と違って、このお墓、民主主義国家が国家予算で作ってますし、リンカーン大統領のお墓より大きいんでしょ?そういえば、今流通してる米ドルの50ドル紙幣の肖像画もグラント将軍なんですよ。アメリカでは『国家のために命をかけて戦ったリーダー』は、彼の死後も当然それだけ尊敬され、大切にされてるってことなんでしょうね。
さて、それでお墓なんですけど、国定歴史建造物にも関わらず入場は無料です。中に入ると、中央に穴が開いてて地下スペースにグラント将軍夫妻の棺が2つ。思わず合掌。そのほか当時の国旗や軍服など、南北戦争時代の歴史的な品々も展示され、親子で訪れてる方々も。アメリカという国の歴史や、文化の背景にある考え方を体感するのに、良い機会になると思います。
一生懸命子どもに説明するお父さん
夫妻の棺建設時の写真完成当時の絵?お墓には見えませんね建物正面中央に、"LET US HAVE PEACE"どうやら"LET US HAVE PEACE"がメインメッセージっぽい
〔ご参考情報〕
・
General Grant National Memorial:U.S. National Park Serviceのサイト
こないだチャイナタウンで桜が咲いてたので、このお墓のすぐ横にあるサクラパーク(ニューヨークで唯一日本名のついてる公園)を訪れてみたんですけど、まだぜんぜん咲いてなくって代わりに寄ってきました。平和へのメッセージと共に祖国のために戦った人を称えるというのは、なんだかとても健全な気がします。
※コメント欄にはログインが必要です。お手数をおかけしますが、ExciteホームでID登録しブログトップでブログを開設してからログインください。既に登録済みの方はそのままご利用頂けます。
「人気blogランキング」