Yahoo Japanのニュースで、「日本の子供たちは自分が嫌い-」という記事が出てまして、東京都教育委員会が小学生に"自尊教育"をはじめることになりそうです。記事には、「私は他の人々に劣らず価値のある人間である」との問いに「よくあてはまる」と回答した中学生が、アメリカ51・8%、中国49・3%だったのに比べ、日本は8・8%と極端に低かった、という「日本青少年研究所」の調査結果の国際比較も掲載されてました。まずは、その記事からどうぞ。
こういう調査の国際比較を見ると、日本の子ども達が可哀想過ぎてなんかもう胸が痛みます。これだけじゃないんですよね。この手の調査やると毎回こんな感じなんです。2007年に国連児童基金(ユニセフ)が行った先進国に住む子ども達の「幸福度」に関する調査報告でも、
「孤独を感じる」と答えた日本の子ども達が異常に多かったですし・・・。どうしてこうなるの?とか、いろいろ思うところがありますが、行政側がこの状況を少しでも改善しようと気づいたことは、何もしないよりずっと良いことじゃないでしょうか。
と、言うわけで、過去ご紹介したニューヨークの子ども達を取り巻く「教育」関連の話題の中から、ご参考になりそうなものをいくつかご紹介してみます。
まずはコロンビア大学で行われた子供向け読書祭りイベントより。
"How children see things depend on what we teach them."(子ども達が物事をどのように見るかは、私たちが何を教えるか次第)なんてどーんと書かれたポスターとかありまして、で、何を教えてるかというと、要するに『前向きさ』だったりするんですよ。詳細は、「
前向きさは学習できるスキルなのです」にたっぷり書いてますので、ぜひご覧ください。
あと、こちらにはボランティアのメンター制度っていうのがありまして、これは日本に導入してみたら本当にいいんじゃないかなと思います。弟子入り制度の逆みたいな感じで、子どもたちの主に精神面のサポート役となるメンター(師匠みたいな感じ?)がつくっていう制度です。
メンターは、
"all mentors have the same goal in common: to help young people achieve their potential and discover their strengths."(子ども達が彼らの潜在能力を発揮し、自分の強さを発見するのを手助けする)。これも詳細は、過去ログ「
ボランティア・メンター制度」へ。
あと、どうしても気になるのが"自尊教育"ってう言葉です。これがカチカチに固いうえに、抽象的過ぎるし、だいたいそんな言葉初めて聞いたって人が多いと思うので、他に適切なものがないか探してみたら、素晴らしい言葉を発見!
糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」の
最新ダーリンコラムから。
<ばかにしないということ。>
3/6に書かれた「今日のダーリン」をもとに3/9のダーリンコラムになっているので、冒頭のニュースよりも前に書かれたものですが、内容が驚くほどぴったり。糸井さんはこう書いてます。
「人」をばかにしちゃいけない」んです。で、その「人」のなかには、つい忘れられがちな一人がおりましてね。それが、「わたし」なんですね。「わたしをばかにしちゃいけない」んですよね。
うーむ。さすが言葉使いの神様ですね。感動です。"自尊心"とか"自尊教育"って言われても、たぶん、殆どの方々がピンとこないと思いますが、『自分をばかにしないで』っていうのならグッと分かりやすくなるんじゃないかなと思います。抽象概念っていうのは厄介なもので、そう言われてそれで理解できる子は最初から分かってる子だけだったりするんですよね。子ども達の教育現場にこそもっと糸井さんのようなスーパー・コミュニケーターが必要ですね。東京都教育委員会の方は、糸井さんにお知恵を借りてみてはいかがでしょうか。
あと、こういう価値観に関連するものを考えるときは、『多様な価値観が共存する社会』をもっと体験した方が絶対に良いと思います。本当の意味で自分がどういう人間なのかを知るには、同質社会よりもみんながそれぞれ違う多様性のある社会の方がてっとり早いと思います。これも過去ログ「グローバル化時代への希望」に書いてますので、どうぞ。
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