気になったニュースを1つ。NHK取材班による「
夕張市破綻から10年「衝撃のその後」若者は去り、税金は上がり…」という記事。副題に『第2の破綻を避けるために』とハッキリ書いてありますが、問題の解決策も、状況を改善するためのアイデアや参考情報も、この記事中にまったく一切書いてありません。
なぜ? どうして? それでどうやって『第2の破綻を避ける』のでしょう? 日本のマスコミ報道、このパターン多過ぎ、労力を使う方向がおかしい気がします。
それじゃまるで、「夏休みの宿題」やらない子に言い訳を聞くのと同じようなものです。例えば、どれだけ読書感想文が難しいのかとか、漢字ドリルや算数ドリルが困難なのかとか、自由研究が大変なのか・・・等々。
そんな話、いくら聞いても意味がない。
大変だってだけで、ろくに得るものがない。
(世の中、大変なことはいくらでもありますよね)
そうではなくて、夏休みの宿題をしっかり毎日やる子の話を聞くべきでしょう。できるのであれば、学校から与えられた夏休みの宿題の枠組みを超え、
もっと素晴らしい冒険や探求へ自発的に進む子たちの言動や思考法から学ぶべきです。なぜなら、
より優れた解決策や、成功事例や、創造性豊かなアイデアを数多く知ることで、考える力がつくからです。新しい何かを生み出す能力も育まれるでしょうし、今、何をすべきか、逆に何をしてはいけないかなどを
より正しく判断できるようにもなるでしょう。
それを一切せず、「夏休みの宿題」やらない子に言い訳を聞いてたら正しい判断すらできなくなってしまうかもしれない・・・。そもそもの発想がズレていて、もう意味がないどころか、害になる。
この夕張市の記事の例で言えば、まず重要なのは、どうやって夕張市が稼げるか?
そのために参考になる事例や情報が大事なはず
(一切書かれてないけど)。
例えば、『外に売りに行く』。市外、県外、国外で売れる特産品を市が率先して(市内の企業を協力したり、市外からそのために企業を誘致するとかして)生み出していくアイデア。
あの世界のトヨタですら国内販売車数はバブル期以降ずっと右肩下がりの減少トレンドで、成長を支えているのは国外販売ですから。やはり『外に売りに行く』ってのは王道戦略。
ミツカンもキッコーマンもしかり。夕張市ならではのアイデアが何かないか、考えるべきですし、この記事中でもっと語られるべきでしょう。
あるいは、『外から連れてくる』。お金を落としてくれる観光客を夕張市に連れてくるアイデア。人口が減少したからこその魅力もあるはず。ちなみに、ブルームバーグ前NY市長の時代、
NY市は、2002年から2013年の10年間に、観光客数が約1.54倍(2千万人増)の5,430万人となり、その観光客が直接使ったお金(Direct Spending)は2.6倍(243億ドル増)の394億ドルに達しました。243億ドル増というのは、1ドル=100円換算でも2兆4300億円で、2兆円というのは日本の1つの産業の市場規模に匹敵。つまり、NY「市」は2002年からの10年間で日本の産業1つ分、Direct Spendingによる儲けを生み出したということ。それくらい『外から連れてくる』はうまくやれればインパクトあるわけで、これもこの記事中で語られるべき、ごくごく基本的なアイデアだと思います。
あと、新規ビジネスを生み出すという観点で言えば、前回の「
若手デザイナー&アーティスト達のマーケット The Market NYC」のような話題だって、夕張市ならではの類例や応用など何かあれば大いに参考になるでしょう。有名ブランドじゃないってところがより参考になるポイント。無名のお金のない若手でもっていう、ね。
その他、様々な新しいお店やビジネス、価値観や文化の話題。そうした新しい何かが生まれていくクリエイティブな環境、緑いっぱいの公園、子ども達の幸せそうな笑顔、街角のあちこちにあるアートや音楽やダンスや様々なエンターテインメント・・・って挙げたらキリがありませんが、参考になる事例はうちのブログに山ほどある通りで、そういう情報の方がずっと大事な気がします。
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