備忘録がてら
歴史的なニュースを1つ。財務省が13日発表した2014年度の国際収支統計速報によると、訪日外国人が国内で使う金額から、日本人が海外で支払う金額を差し引いた「旅行収支」が1959年度(昭和34年度)以来、55年ぶり!!!に黒字に・・・。背景には、円安、アジア諸国の経済成長、グローバル化、2003年から日本政府が推進してきた
Visit Japanキャンペーン等々。
2014年の訪日外国人数も、
過去最高の1341万4000人に達し、「旅行収支」の55年ぶり黒字化とあわせ、ここ数年、日本は「観光で稼ぐ国」へ進化中?
日本政府は、国土交通省に観光立国推進戦略会議を設け、訪日外国人2,000 万人を目標に。副題に『第二の開国』と書かれた
資料(PDF)も。
つまり、今後さらに「旅行収支」黒字を増やす方向へ。今後、何が起こる?
日本では少子化の影響で、国内人口が
8年連続の自然減(14年は25万人超と過去最大の減少幅)。国内人口が減れば、お客さんも減るのは当たり前。そんな環境で企業が成長を続けるには、大きく分けて
(1)お客さんがいる海外へ売りに出て行くか、
(2)海外からお客さん(観光客やビジネス客)をつれてくるか、の2択。あ、もう1つ、減っていくお客さんが前よりもっと買うってのもありますけど、一時的ならともかく継続してとなると、これは現実的じゃないですよね。
話をもどして、
(1)お客さんがいる海外へ売りに出て行く、は、
トヨタさんが典型例、皆さんお馴染みのいわゆるグローバル化戦略なので、今回は詳しい説明はパス。
注目すべきは、ここ数年、日本で起こりつつある進化や変化、この新しいトレンド、
(2)海外からお客さん(観光客やビジネス客)をつれてくるという、
日本国内でのグローバル化。
典型例は、ニューヨーク市!!
日本の政治家の中には、少子化による人口減少対策として移民の受け入れを言い出す人がいますけど、人口の98%以上が同じ文化や価値観を持つ日本人という、多文化共生社会がどのようなものなのか殆ど誰も経験もなければ、考えたこともないような日本で、いきなり移民政策をはじめるのは社会的なコストが大き過ぎて無理。絶対に今じゃありません。余計な混乱が生じてかえって社会が停滞、低迷します。
そんな危険な賭けに出る前に、普通に常識的に考えて、
(2)海外からお客さん(観光客やビジネス客)をつれてくるように、国、自治体、企業等々みんなで協力した方がずっと良い・・・と以前から指摘してきましたが、なにやら、実際、日本でそうなってきているみたい???
以下、気になった関連データなど。
国土交通省観光庁による訪日外国人の消費動向
訪日外国人消費動向調査結果及び分析(平成 25 年 年次報告書)
ツンデレ?おもてなし「ニッポンのココが残念」 外国人100人に聞く[日経2014/2/16]
〔ご参考〕
・ 財務省 > 国際政策 > 関連資料・データ > 国際収支状況 > 国際収支の推移:
-
国際収支の推移(国際収支マニュアル第5版準拠:平成25年まで)
-
国際収支の推移
・
旅行の国際収支が55年ぶりの黒字、単月では6か月連続 -財務省速報(2014年度)[Travelvoice 2015/5/13]
・
訪日観光客増加 経済への波及効果は[日経2014/9/30]:「政府は東京五輪を開く2020年に年間2千万人、将来は年間3千万人の目標を掲げています。2千万人は専門家の分析などを参考にした数字で、達成できるでしょう」
・
おもてなし「ニッポンのココが残念」 外国人100人に聞く[日経2014/2/16]
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訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析(平成 25 年 年次報告書):国土交通省観光庁
【関連過去ログ】
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トヨタ過去最高の世界販売台数で世界一復活 1975年からの国内外データを比較すると非常に興味深いです[2013-01-31]:国外へのグローバル化の考え方の例
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2013年、NYを訪れた観光客は史上最多の5,430万人、経済効果は590億ドル(約6兆円)!!![2013-12-13]:国内でのグローバル化の考え方の例
あとインターネット時代、特に、ソーシャル・メディアを多くの人々が活用して情報をやり取りするようになったということは、日本にとって強力な追い風になると思います。インターネットがなかった時代には伝えられなかった日本の魅力も今や世界中に・・・。しかも、YouTubeなどのお陰で映像でも見れるようになってますしね。こうなってくると、コトバの問題はもちろんのこと、いかに海外の、日本とは異なる文化や価値観、趣味、嗜好を持つ人々に、日本の魅力をアピールしていけるか?が極めて重要になってくるでしょう。
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