ニューヨーク最大の美術展覧会、アーモリー・ショー(The Armory Show)特集ラスト。会場の同規模のブースの中で、最も多くの人々を集めていたのがココ。アイルランド共和国の首都ダブリンから来た”
Mother's Tankstation”というギャラリーのブース。今年のアーモリー・ショーで頻繁に見かけた「色使いや作品構成にいろいろ工夫をこらし、カラフルで複雑」な「小さな作品」を大量に展示。
擬人化されたウサギやクマなど、インパクトの強い独特の世界観を持ち、深いメッセージ性を感じさせる作品が多く、同様の展示手法をとっていた無数のブースの中で、ずば抜けた存在感を放っていました。
しかも、このギャラリーは他に何人もアーティストをリプレゼントしてるのに、わざわざニューヨークまできて展示してるこの作品はすべてたった一人、日本人アーティストの
Atsushi Kaga(かが あつし)さんの作品なのです。
いくつもの作品に描かれている擬人化されたウサギさんはKagaさんご本人がモチーフなのだそうで、様々な可愛らしいキャラクターや設定を通じ、日本人らしい感覚(自然の木々や人々との関係)が巧みに表現されてます。パッと見た時は、今や日本を代表する世界的に有名なアーティストの一人である奈良美智さんの作風に似ている気がしましたが、じっくり見ていくとそこにはまったく違う独特のファンタジックな世界観があって、グイグイと引き込まれていく不思議な感覚・・・。
実は今回、Kagaさんの作品を拝見させて頂いたのは初めてでして、この感じだとものすごく有名なアーティストさんじゃないの? なんで今まで知らなかったんだろう??? と思って調べてみましたら、Kagaさんってまだ30代半ばくらい(1978年東京生まれ)で、国際的なアート界では若手の方のようです。それでこの実力ってすごいですね。
そう言えば、奈良美智さんもヨーロッパ(ドイツ)からニューヨークへとご活躍を広げていく中で、国際的な注目が高まったアーティストさんでした。
奈良さんの作品、ニューヨークでは本当に頻繁にあちこちで見かけます。過去このブログで取り上げたものだけでも、
個展や
MoMa Storeや、昨年の
アーモリー・ショーなどなどありますけど、この感じだと、Kagaさんの作品も、今後、ニューヨークの街角でちょくちょく見かけるようになりそうですね。とても楽しみ。
独創的な世界観が目をひきますみんな思わず笑顔になっちゃう感嘆の声があちこちからなぜにバームクーヘン?このウサギさんはアーティストご本人がモチーフ作品集この風呂敷もよく出てきますいろいろと可愛いのも特徴さりげなくTrust(信頼)とかLife(人生)とか自然の大切さを感じさせる木々や・・・ポーラー・ベア(北極グマ)とかもだんだんKagaさんの世界にはまっていく感覚が心地良いですどんどん見たくなっちゃいます〔ご参考〕
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http://www.motherstankstation.com:ギャラリー公式(
Kagaさん紹介)
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http://www.atsushikaga.com:Kagaさん公式
〔関連ログ〕
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NY最大の美術展覧会「アーモリー・ショー」 The Armory Show 2014[2014-03-10]
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NY最大の美術展覧会「アーモリー・ショー 2014」造形編[2014-03-11]
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NY最大の美術展覧会「アーモリー・ショー 2014」の椅子[2014-03-11]
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NY最大の美術展覧会「アーモリー・ショー」 The Armory Show(会場の雰囲気編)[2013-03-13]
Kagaさんの作品は、奈良美智さんや村上隆さんたちが切り開いた日本発のコンテンポラリー・アートのコンテクストに沿いつつも、増田セバスチャンさんに代表される日本発のKawaiiポップ・カルチャーにも通じる作風で、また別のアングルから独自の世界観を提示されてまして非常に興味深いです。また、実際、このKagaさんの作品を展示したブースには沢山の来場者が足を止め、笑顔になっていたのもとても印象的でした。
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