前回 に続いてニューヨークのSOHOから。ここには世界最大の児童書専門の出版社、 スカラスティック(Scholastic)の本社と直営店(The Scholastic Store)も・・・。そして、このスカラスティック社に成功をもたらしたのがこの赤いワンちゃん、クリフォード(
Clifford the Big Red Dog )。1963年生まれの彼はちょうど生誕50周年。店内には関連グッズや絵本がずらり。
アメリカでは絵本から2度のTVアニメ化、映画化もされ、エミー賞に20回ほどノミネートされ受賞歴もある名作。近年ではiPadで読める「
ベスト児童書 」にも選ばれ、アメリカでは誰でも知ってる有名な絵本生まれのキャラクターでしょう。
でも、クリフォードくん誕生の背景には驚きのエピソードが・・・。
50年前のニューヨーク。奥さんと幼い娘さんと暮らす、売れない無名のアーティストだったノーマン・ブリッドウェル(Norman Bridwell)さんは、なんとかお金を稼ぐ仕事を得るために、無理を承知で自作のアート作品を持って出版社に売り込みへ。でも、すべての出版社で断られてしまいます。そう簡単に仕事にはつながらず、唯一、「この女の子と犬の絵で何かストーリーはできないかしら?」とアドバイスをくれたのがスカラスティック社の編集者でした。
絵本の制作経験は一度もなかったノーマンさんですが、その週末、後に「おおきいあかい クリフォード」(Clifford the Big Red Dog )1作目となる、ワンちゃんと女の子の物語をつくります。
子どもが描いた絵のような家よりも大きなワンちゃん、しかも子どもが好きそうな赤一色。女の子には自分の娘と同じくエミリー・エリザベスと名づけました。
いろいろ頑張ってみたもののノーマンさんはまったく自信のないまま、週明け、再びスカラスティック社へ。するとこれが大好評。 その後、スカラスティック社が出版したクリフォードの絵本は大ヒットとなり、続編に次ぐ続編が出て、全米、全世界展開へ・・・。
日本語版 もあるんですよ。
おおきいあかい クリフォード クリフォードいっぱい 店頭のショーウィンドウの生誕50周年特別展示 ノーマンさんファミリー:前列にノーマンさんと奥さん、
後列にクリフォードと娘のエミリーさんとお孫さんのアリッサさん クリフォードの絵本シリーズ
VIDEO 映画版のトレーラー
〔ご参考〕
・
www.scholastic.com/clifford/ :公式サイト(注意:子どもの笑い声が出ます)
・
www.facebook.com/officialclifford :公式FB
・
The Best Children’s Books on the iPad [March 28, 2011, NYT]
・
'Clifford The Big Red Dog' Turns 50 (In Human Years) [September 22, 2012, NPR]
クリフォードによって成功したスカラスティック社は、お店で様々なイベント を開催したり、アメリカでのハリーポッターの販売権 を持ったり、小学校の先生たちの「集団の英知」を結集するサイト を立ち上げるなど、アメリカの児童教育にも大きな影響力を持つ存在に成長してます。
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