
4月に「
文化産業を21世紀の日本のリーディング産業に!」、続いて5月入ってすぐ
「クールジャパン」世界戦略拠点第一号が北京に、と日本文化を成長産業にしようっていう他の問題からすると驚くほどスピーディーな日本政府の動きをお伝えしましたが、今度は5月21日に、知的財産戦略本部(本部長・鳩山由紀夫首相)の会合が開かれ、「知的財産推進計画2010」が決定!!! これに基づいて、「コンテンツ強化を核とした成長戦略」を推進するのだとか・・・。各戦略の成果イメージは次のとおり。

特に気になったのが、「コンテンツを核とした成長戦略の推進」。これによると、
2020年にコンテンツを核とした海外収入を現状の1.2兆円から2.6兆円に増加させ、デジタル・ネットコンテンツビジネスの市場規模を現状の1.4兆円から約7兆円へ大幅に成長させるというのですよー。すごいですね。でも、どうやって?
膨大な資料でいろいろポイントが挙げられてますが、組織や仕組み的なものじゃなくて肝心の『人材育成』に関連する項目をざっと見てみましょう。なお、コンテンツ強化専門調査会の委員名簿は公表されてまして、委員は以下の方々なのだそうです。
【参考1 コンテンツ強化専門調査会 委員名簿】
大﨑洋 吉本興業(株)代表取締役社長
大多亮 フジテレビジョン(株)執行役員デジタルコンテンツ局長
角川 歴彦 (株)角川グループホールディングス代表取締役兼CEO
川上 量生 (株)ドワンゴ代表取締役会長
久夛良木健 (株)ソニー・コンピュータエンタテインメント名誉会長
佐藤 直樹 日活(株)代表取締役
末吉亙 弁護士
杉山 知之 デジタルハリウッド大学学長
谷口元 エイベックス・ミュージック・パブリッシング(株)代表取締役社長
中村伊知哉 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授
別所 哲也 「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」代表/俳優
吉羽治 (株)講談社ライツ事業局局長(五十音順、敬称略)
以下、『「知的財産推進計画2010」に盛り込むべき事項について(コンテンツ強化関連)』の中の人材育成に関連する7ページ目以降の部分です。

- 我が国は、個人・ユーザーレベルの質は決して低くないものの、ビジネスモデルにつながっていない。
- コンテンツの基盤である人材育成はこれまで軽視されがちであったが、例えば映像分野では制作費の減少による構造変化によって、このままでは、将来、我が国のコンテンツ人材基盤が弱体化することが懸念されている。
- このため、デジタル化を好機と捉え、新たなメディアの創出や様々な分野のデジタル化を通じて制作機会の積極的な創出を図ることが重要である。
- また、ビジネス面も含め、国際的に通用する人材育成が重要であり、このためには、将来が期待される人材を継続的に海外に派遣するとともに、我が国が海外からも人材が集まる「本場」となるための環境整備が必要である。
- さらには、裾野を拡大する「国民総クリエーター」の視点を取り入れ、小中学生を対象とした教育や国内の優秀な人材が集まるための高等教育の充実を図るとともに、二次創作の促進のための環境整備や、コンテンツを我が国の文化資産と捉えてそのアーカイブ化を進めていくことが重要である。
- 以上を通じ、我が国が、海外からも優秀な人材が集まる魅力的な「本場」となることを目指す。
(1) 制作・発表の機会を積極的に創出する。【施策】 - 教育コンテンツのデジタル化(「デジタル教科書」)を進める。(中期)(文部科学省、総務省)
- 観光促進も含めた地域発コンテンツ製作支援を拡充する。(短期)(総務省、国土交通省、経済産業省)
- モバイル放送、デジタルサイネージに関する実証実験や規格策定への支援、完全ブロードバンド化、ホワイトスペースの活用促進、IPTV の普及支援・クラウドコンピューティングの環境整備を通じ、新たなメディアのためのインフラを整備する。(短期・中期)(総務省)
- 多様な番組が放送されるようにする観点から公共放送機関であるNHKが外部制作事業者(優れた若手作家を含む。)の活用を促進することを通じ、制作機会の創出を図る。(短期)(総務省)
【目標指標】
(イ) 世界に発信できる地域発コンテンツが年間100 本制作される。
(ロ) 児童生徒が授業の場において1人1台の情報端末、デジタル機器を活用してデジタルコンテンツを自在に利用できるようになる。
(2) 海外から日本コンテンツ発信の担い手となる人材を呼び込みつつ、世界に通用する人材を育てる。【施策】- コンテンツに関する人材育成(社会人教育を含む。)に加え、研究開発機能を有し、中核的な役割を果たす大学(コンテンツ版COE(Center Of Excellence))の整備を促進し、国内外のクリエーターやその志望者が集まる拠点の形成を支援する。(中期)(文部科学省、経済産業省、総務省)
- 世界に通用するクリエーターやプロデューサーを育成するため、海外派遣を通じた海外とのネットワーク構築に対する人材育成支援策を実施する。(短期)(文部科学省、経済産業省、総務省)
- アニメの制作工程の高度化(例えば制作ノウハウの共有や3D 化)を通じた人材育成を図る。(短期)
(経済産業省、総務省)
- アジアからのアニメ・ゲーム人材に関する招聘・研修プログラムを策定し、日本語研修も含め、受入体制を整備する。(短期)(経済産業省)
【目標指標】
(イ) 海外からのコンテンツ関連の留学生が増加する:1万人
(ロ) コンテンツ版COEが形成される。
(3) クリエーターの裾野を拡大するとともにユーザーによる創造活動を促進する。【施策】- ワークショップへの支援を通じ、小中学生の段階からデジタルコンテンツ制作教育を推進する。(短期・中期)(文部科学省)
- 一流のクリエーターによる学校訪問や、コミュニケーション教育活動の実践を通じ、学校教育において創造活動の機会や知財教育を充実する。(短期)(文部科学省)
- 発表の機会を確保するため、ショートフィルムの制作や映画祭を支援する。(短期)(経済産業省、文部科学省)
- 二次創作(パロディ含む)やネット上の共同創作の権利処理ルールを明確化する。(中期)(文部科学省、経済産業省、総務省)
- インターネット上におけるコンテンツの部分的引用やネット上の放送における利用を始めとして、今後のビジネス展開の円滑化が図られるよう、国際的動向も踏まえながら民間における関係者間のルール形成が促進されるよう支援する。(短期)(文部科学省)
- 我が国コンテンツを国の文化資産と捉え、映像のアーカイブ化や、日本のポップカルチャーに関する様々なアーカイブのデジタル化・ネットワーク化への支援を通じ、創造基盤のためのアーカイブを整備する。(短期・中期)(文部科学省)
- NHKが制作した映像や音声のコンテンツの蓄積を国民の貴重な財産ととらえ、そのコンテンツの戦略的な活用を促進する。(短期・中期)(総務省)
- 民間放送局のコンテンツについても、民間主体によるコンテンツの蓄積が促進されるよう支援する。(短期・中期)(総務省)
【目標指標】
(イ)
デジタル制作教育に関するワークショップの参加者数 年間35 万人(ロ)
クリエーターによる小中学校訪問機会を1万件つくる。
〔ご参考情報〕
・
知的財産戦略本部会合 議事次第・
産業競争力部会 - 概要:経産省公式サイト
〔過去ログ〕
・
文化産業を21世紀のリーディング産業に![2010-04-06]
・
文化産業を21世紀のリーディング産業に!の続編[2010-04-11]
・
「クールジャパン」世界戦略拠点第一号が北京に[2010-05-07]
このクールジャパン関係のニュースは、他のいろんな政治課題と比べるとかなり早い展開になってる印象です。民間代表の方々がそれだけ頑張ってるとか?ちょっと不思議。また、いろいろ施策が挙げられてますが、肝心の海外市場へコンテンツを売り込みに行ったり、海外の制作チームと海外でコラボできる人材の育成について、もう少し何か具体策があっても良いような気がしますが、いかがでしょう?※コメント欄にはログインが必要です。お手数をおかけしますが、ExciteホームでID登録しブログトップでブログを開設してからログインください。既に登録済みの方はそのままご利用頂けます。「人気blogランキング」